タイの働き方は意外と柔軟?日本人が驚く仕事文化と日本との違い

タイで働き始めて間もないころ、「それでいいんだ」と思う場面が結構ありました。
結論から先に言うと、タイの人々は働き方に対して柔軟な考え方を持っている人が多いです。
日本では仕事とプライベートをきっちり分けるのが基本。働き方は会社のルールに則って、そこから逸脱することは許されないことが多いでしょう。
ところがタイでは、そのあたりがもう少し柔軟なのです。
仕事終わりや土日に副業をしている人や、家庭の事情で少し遅めに出社する人、中抜けして仕様をササっと済ませてくる人なども珍しくありません。
もちろん、すべての会社やタイ人に当てはまる話ではないですし、業種によっては日本よりも厳しい規則の中で働いている場合もあります。(日本も緩くて自由度の高い会社もありますしね。)
それでも日本とタイの両方で働いてみると、「働く」ということへの考え方そのものが違うと感じます。
今回は、私がタイで働いて感じた「柔軟な働き方」について書いてみます。
タイで感じる「働き方の柔軟さ」って何だろう?
「柔軟な働き方」と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。
フレックスタイム、リモートワーク、時短勤務…
日本では、このような制度をイメージする人が多いと思います。
私がタイで感じる柔軟さは少し違っていて、もっと日常的なところにあるものです。
たとえば、
- 家族の事情で少し遅れて出社する
- 病院や役所へ行くために、一時的に職場を抜ける
- 仕事が終われば定時で帰る
- 休暇が必要なら、比較的はっきり「休みたい」と伝える
などなど。
日本でももちろん可能なことばかりです。
ただ、実際にそれをするまでの心理的なハードルが違うように感じます。
日本人の場合(私の場合)、まず周囲の状況を考え、根回しをおこないます。
例えば有給休暇を1日取得する場合でも、数か月前から同僚や上長へ軽く話し、ジャブを打つのです。
自分とともに働く人たちに心の準備をしていただき、さらに承認者である上長にも事前に口頭で言質を取ったうえで、正式な休暇申請を提出します。
日本の職場では、私のようにルール上は問題がなくても、自分の要求を通すために空気を読む人は多いのではないでしょうか。
一方タイ人の場合は、こんな回りくどいことをせずを比較的ストレートに伝える人が多いと感じます。
「明日は病院へ行くので遅れます」
「子どもの用事があるので休みます」
もちろん、突然言われて困ることもあります。
「それ、もう少し早く言えたよね?」と思うことも。笑
ただ、仕事と生活を完全に切り離すというより、生活の中に仕事がある。
そんな感覚に近いのかもしれません。
「仕事がすべてではない」が自然に存在している
タイで働いていて特に感じるのが、仕事とプライベートの距離感です。
日本人は良くも悪くも、仕事への責任感が強いと思います。
自分の担当業務が終わっていなければ残る。
同僚が忙しそうなら少し手伝う。
休みの日でも、急ぎの連絡なら返信する。
こうした行動が自然にできることは、日本人の強みでもあります。
一方、タイでは「勤務時間」と「自分の時間」の境界が、比較的わかりやすい印象です。
仕事が終われば帰る。
休みの日は休む。
家族や友人との予定があれば、そちらも大切にする。
日本人からすると、最初は少しドライに見えるかもしれません。
でもタイ人側からすれば、むしろ日本人の方が不思議なのかも。
「仕事が終わったのに、なぜまだ会社にいるの?」
「休みなのに、なぜ仕事のメールを見ているの?」
そう思われていても不思議ではありません。
副業をしている人がとにかく多い
もうひとつ、日本との違いを感じるのが副業です。
タイでは、本業とは別の仕事をしている人によく出会います。
仕事が終わってから別の仕事をする。
土日にマーケットやイベントで自作の商品を販売する。
オンラインで何かを売る。
語学が堪能な人は学生や社会人向けにマンツーマンの語学レッスンを開いていたりもします。
会社員でありながら、別の収入源を持つことへの抵抗があまりありません。
そして会社側も、副業を一律に禁止していないケースが多いです。
この背景には、タイの賃金水準も関係しているでしょう。
物価上昇と賃金上昇のスピードが合っていないため、本業の収入だけでは十分ではない。副収入が必要。という人も少なくありません。
そのため、単純に「タイの方が自由でいい」とは言い難いのです。
生活のために働く時間を増やしているのであれば、それは必ずしも理想的な働き方ではないからです。
ただ、興味深いのは副業に対する心理的な距離感。
「会社員なら、この会社一本で働く」
という発想が、日本ほど強くないように感じます。
昼間は会社員。
夜や休日は別の仕事。
自分で小さな商売をしている人もいる。
「働く場所は一つでなくてもいい」という感覚です。
これは収入の問題だけでなく、仕事に対するフレキシブルな考え方にもつながっている気がします。
日本人は「周り」、タイ人は「自分」を基準にしやすい?
日本とタイの働き方を見ていると、大きな違いのひとつが「判断基準」だと感じます。
日本人は周囲とのバランスを考えることが得意です。
チームが忙しければ残る。
誰かが休めばフォローする。
自分だけ違う行動を取らないようにする。
こうした姿勢があるからこそ、日本の職場はチームとして安定して動きやすいのでしょう。
一方、タイでは自分の状況を基準に判断する人が多い印象です。
今日は帰る必要がある。
明日は休みたい。
この時間は別の予定がある。
だから、それを伝える。
日本人からすると「もう少し周りを見てほしい」と感じることもあります。
逆にタイ人からすると、日本人は必要以上に周囲を気にしているように見えるかもしれません。
どちらが正しいという話ではありません。
むしろ、この違いを知らないまま一緒に働くことの方が問題です。
日本人上司が「普通はこの状況なら残るでしょう」と考える。
タイ人スタッフは「勤務時間が終わったから帰ります」と考える。
どちらも自分の中では普通です。
だからこそ、言葉にしないと伝わりません。
「今日はここまで終わらせてほしい」
「明日休むなら前日までに共有してほしい」
「この時間帯は連絡が取れる状態にしてほしい」
日本人同士なら察してもらえたことでも、タイでは具体的に伝えた方がうまくいきます。
そしてこれは、タイ人スタッフだけの話ではありません。
日本人側も、自分の「普通」を見直すきっかけになります。
本当に今日中に終わらせる必要があるのか。
休暇中のスタッフへ連絡する必要があるのか。
周りが残っているという理由だけで、自分も残っていないか。
タイで働くと、そんなことを考える機会が増えます。
柔軟さは学びたい。でも「タイに染まりすぎない」ことも大切
ここまで読むと、タイの働き方の方が気楽で良さそうに見えるかもしれません。
確かに、私もタイから学べる部分は多いと思っています。
- 休むときは休む。
- 必要以上に周囲の目を気にしない。
- 仕事以外の時間も大切にする。
- 会社以外にも自分の選択肢を持つ。
日本人がもう少し取り入れてもいい考え方ではないでしょうか。
ただし、タイで働く日本人として気をつけたいこともあります。
それは、現地の働き方に染まりすぎないこと。
「タイではこれくらい普通だから」という言葉は便利です。私も使ってしまうことがあります。
でも、それを理由に仕事の質まで下げてしまえば話は別。
- 約束した期限を守る。
- 相手からの連絡には必要なタイミングで返す。
- 問題が起きたら報告する。
- 自分の担当業務には責任を持つ。
こうした部分まで「タイだから」で緩くする必要はありません。
特に日系企業で働いている場合、日本側との仕事もあります。
日本本社が求めるスピード感と、タイ側の感覚。
その間に立つのが、日本人駐在員や現地採用者になることも少なくありません。
だからこそ、どちらか一方に染まるのではなく、良いところを選ぶ。
どちらの感覚も知っているからこそ、うまく業務が回るようにハンドリングする。
そして日本人の持ち前の責任感や丁寧さは残す。
一方で、必要以上に会社へ自分の時間を差し出さないという感覚も忘れてはなりません。
タイ人スタッフにも、日本式をそのまま求めるのではなく、必要な部分だけ共有することが大事です。
このバランスが取れるようになると、タイでの仕事はかなりやりやすくなる気がします。
タイに来たからといって、すべてタイ式にする必要はありません。
逆に、日本で働いていた頃の常識をすべて持ち込む必要もないでしょう。
両方を知っているからこそ選べる働き方があります。
まとめ|タイで考え直す「働く」ということ
日本では「働き方改革」という言葉が広まりました。
残業を減らしたり、有給休暇を取りやすくする。
テレワークやフレックスタイムを導入して、働き方の幅や選択肢を広げる。
このように、制度を変えることで働き方を変えようとしてきました。
一方、タイで働いていると、それ以前の違いを感じます。
仕事と生活のどちらを中心に置くのか。
会社と自分は、どれくらいの距離で付き合うのか。
一つの会社だけで働く必要があるのか。
そうした「働くことへの考え方」そのものが、日本より柔軟に見えるのです。
もちろん、タイの働き方がすべて正解ではありません。
そして日本の働き方がすべて堅苦しいわけでもないです。
私自身、タイで働きながら「これは日本の方がいいな」と思うこともあります。というか私はかなり生真面目な性格なので、日本の働き方の方が合っているなと思う部分がいまだに多いです。
しかし、その反面でタイ人たちの働き方を目の当たりにし、「その考え方、いいな」と思う部分もたくさんあります。
せっかく海外で働いているのですから、どちらかを正解にする必要はありません。
日本の良さを持ちながら、タイの柔軟さも取り入れる。
そうやって自分なりの働き方を見つけられることも、タイで働く面白さのひとつだと思っています。
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タイワークラボ編集部

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