【タイ駐在】赴任前に必ず確認したい、日本でやるべき準備10選

タイ駐在が決まると、ビザや住居など会社主導の準備に意識が向きがち。
しかし、実際にタイでの生活が始まった時に差が出るのは「日本にいるうちに何をしておいたか」です。
出発前はあまり意識が向かないけれど、日本を離れてからでは対応が難しいことや、後回しにすると確実に困ることは意外と多くあります。
本記事では、タイ駐在が決まった際に日本でやっておくべきことを整理しました。
タイ赴任前に「日本でしかできない準備」がある理由
タイ駐在が決まると、ビザや住居、現地生活の情報収集など「タイに行ってから対応すること」に意識が向きがちです。
しかし実際には、日本にいる間に絶対にやるべきことや、やっておいた方が後悔が少ないことが数多く存在します。
その理由の大部分は、日本とタイの制度や仕組みの違い。
日本とタイでは、医療制度、金融システム、行政手続きなどの前提条件が大きく異なります。
特に日本の銀行・保険・公的機関の多くは、日本国内での本人確認や対面手続きを前提としており、海外からでは手続きが煩雑になったり、対応不可となるケースもあるのです。
こうした準備を後回しにした結果、
「歯の治療で一時帰国することになった」
「銀行手続きができず家族に頼ることになった」
といったトラブルに直面する人も少なくありません。
これから紹介する「日本でやるべき10のこと」は、タイ駐在・移住者が実際に困った点・助かった点をもとに整理したものです。
出発前の限られた時間を有効に使うためにも、チェックリストとして活用してください。
タイ駐在へ出発する前に日本でやっておくべき10のこと
詳細は後ほど説明して行きますが、まずはタイ駐在が決まったら、日本でやっておくべき10のことをリストにしました。
日本でやっておくべき10のこと
- 歯科検診・治療をすべて終わらせておく
- 日本での医療情報(持病・処方・既往歴)を整理しておく
- ネットバンキングとSMS認証の動作確認
- 日本の携帯番号を「受信専用」で維持する設計をする
- 日本の郵便物・重要連絡の受け皿を決めておく
- クレジットカードの更新・海外利用設定を確認する
- 日本の銀行・証券口座の海外利用制限を確認する
- 不要な日本の契約・サブスクを整理する
- パスポートの残存期間・記載内容を確認する
- 会社手配の範囲と「自分がやること」を明確にする
人によって当てはまるものと当てはまらないものがあるかと思いますが、自分では思いつかなかった「気付き」もあるかもしれません。
以下で詳しくご説明します。
歯科検診・治療をすべて終わらせておく
タイは医療水準が高く、歯科医院も多く存在します。しかし、歯のトラブルだけは日本で済ませておくべき代表例です。
理由のひとつは、タイの歯科医院や歯科医師の仕組みが関係します。
タイの歯科医院の多くは常駐している医師が少なく、沢山の非常勤医師をローテーションで回していることが多いです。
そのため、担当医師の出勤サイクルによってはスムーズに予約が取れず、治療のペースが遅くなってしまうケースがあります。
日本だと数週間で完了する治療が長期化してしまったり、治療後に痛みが出た際すぐ対応して貰えなかったりして、長期的に虫歯や痛みと向き合わなければいけないという辛い状況になってしまうことも。
もうひとつの理由は、他の病気と比べて治療費が高いという点です。
駐在員などのタイで働く外国人向け医療保険では、歯科治療が補償対象外または制限付きとなることが多いです。そのため、ちょっとした治療でも日本とは比べ物にならないような金額がかかってしまう可能性も。
日本の社会保険に加入したままタイに駐在する場合は、一時帰国時に手続きをすれば治療費のいくらかは戻ってきます。しかし、必要書類を持参して忙しい一時帰国時にわざわざ手続きをしに行くことほど面倒なことは無いでしょう。
これらの理由から、出発前には自覚症状がなくても歯科検診を受け、治療が必要な箇所はすべて対応しておくことをおすすめします。
日本での医療情報(持病・処方・既往歴)を整理しておく
タイの医療水準は高いものの、初診時には過去の病歴や服薬状況を自分で説明する必要があります。
日本語で管理してきた情報を、赴任後に一から思い出すのは意外と大変です。
持病、アレルギー、常用薬、過去の手術歴などは、日本にいるうちに一覧にまとめておくと安心です。
可能であれば、薬の一般名や英文表記を控えておくと、現地医師とのやり取りがスムーズになります。
家族帯同の場合は配偶者や子どもの情報も整理しておくことをおすすめします。
ネットバンキングとSMS認証の動作確認
海外生活では、日本の銀行口座にログインできるかどうかが死活問題になります。
ネットバンキングに未登録だったり、登録はしていてもSMS認証が日本の携帯番号前提のまま、というケースは少なくありません。
また、ネットバンキングの設定やログイン方法の変更などは、手続き後に早くても2週間近くかかり、書類等も海外まで発送して貰えません。
手続きも原則本人が行わなければならないため、赴任後に必要性に気が付いてしまった場合には一時的に日本へ帰国して対応しなければならなくなる可能性も。
赴任前に必ず、海外からのログイン可否、送金・残高確認の操作、SMS認証が正常に届くかを確認しておきましょう。
日本の携帯番号を「受信専用」で維持する設計をする
日本の携帯番号は、海外に出ても簡単に手放さない方が安全です。
銀行やクレジットカード、各種オンラインサービスでは、日本の番号宛てのSMS認証が今も多く使われています。
完全解約してしまうと、本人確認ができず手続きが進まないケースもあります。
通話やデータ通信を最小限に抑えた「受信専用」の維持方法を、日本にいるうちに検討・切り替えておくと安心です。
携帯会社によっては月数百円程度の支払いで携帯番号を維持してくれるサービスもあります。このサービスを利用すれば本帰国後に同じ携帯番号を使用できるため、受信専用の設定が不要という方も、調べておくと安心です。
日本の郵便物・重要連絡の受け皿を決めておく
駐在中も、日本の銀行やカード会社、証券会社などから重要書類が郵送されることがあります。
海外転送ができない郵便物も多く、放置すると口座凍結やサービス停止につながる場合も。
実家や信頼できる家族に受け取りを依頼する、必要に応じて中身を連絡してもらうなど、事前に役割分担を決めておきましょう。
「誰が」「どこまで対応するか」を決めておくだけで、赴任後の安心感が大きく変わります。
クレジットカードの更新・海外利用設定を確認する
タイ駐在中は、クレジットカードが生活の要になります。ATMで日本の口座からキャッシングをする機会も少なくないでしょう。
赴任前に必ず、
- 海外利用が制限されていないか
- 不正利用防止のための地域設定が厳しすぎないか
- キャッシングの設定は正常にできているか
- クレカの明細確認や各種設定変更の方法
は確認しておきましょう。
また、カードの有効期限が赴任期間中に切れる場合、更新カードが日本の住所に届くこともあります。
更新時の受け取り方法や、家族に転送してもらう手配を事前に考えておくと安心です。
日本の銀行・証券口座の海外利用制限を確認する
日本の銀行や証券会社の口座は、基本的に海外へ転居する場合に解約しなければなりません。
しかし、駐在員の場合は日本側での給与振り込みも発生するため、口座を維持したままタイへ赴任することになるのが一般的です。
そのため銀行や証券会社で海外赴任の説明や手続きなどは行わないという人が多いでしょうあ、会社によっては海外からのアクセスや取引に制限がかかる場合があるため、事前の確認が必要です。
特にセキュリティ強化の影響で、IPアドレスが海外の場合はログイン制限がかかるケースもあります。
赴任前に、海外からの利用可否、必要な手続き、制限がかかった場合の解除方法を確認しておくと安心です。
「使える前提」で考えず、「使えなくなる可能性」を潰しておく意識が重要です。
不要な日本の契約・サブスクを整理する
駐在が決まるとバタバタしがちですが、日本の契約関係を見直す良い機会でもあります。
使っていないサブスクリプションや、赴任中は不要なサービスをそのままにしていると、気づかないうちに支払いが続きます。
また、グローバルで展開している動画配信サイト等の場合だと、タイで加入し直した方が安い場合も。
日本の電話番号がないと解約できないサービスもあるため、出発前に一度洗い出して整理しておくとスッキリします。
パスポートの残存期間・記載内容を確認する
基本的なことですが、意外と見落とされがちです。
パスポートの残存期間が不足していると、ビザ手続きや入国に影響が出る場合があります。
また、氏名表記や余白ページの残りも確認しておきましょう。
更新が必要な場合は、タイに到着してからでもできますが、日本よりも手続き期間が長かったり、ビザスタンプの移し替えが発生したりと何かと面倒。
まだ残存期間や余白ページが「不足」という状態ではないけれど、赴任期間中に切れそうまたはギリギリという方は、ビザを取得する前に新しくしてしまうのがおすすめです。
会社手配の範囲と「自分がやること」を明確にする
駐在の場合、ビザや住居、保険などは会社主導で進むことが多いです。しかし、「すべてお任せ」だと思い込むのは危険。
どこまでが会社手配で、どこからが自己対応なのかを事前に確認しておきましょう。
毎年何名もの駐在員を世界のあらゆる国に派遣している企業の場合は、駐在準備等も仕組み化されているので心配事はないでしょう。しかし、駐在として海外赴任する人が数名しかいないような企業の場合、人事や総務も手続きや準備に慣れていないことが多いです。
情報共有が曖昧なまま出発すると、現地で「それは個人対応です」と言われて困るケースも無きにしも非ず。
やるべきことの洗い出しと、責任の範囲について、人事総務とすり合わせておくと安心です。
まとめ
タイ駐在の準備で後悔が出やすいのは、「知らなかった」「そのうちやろうと思っていた」ことです。
特に、歯科や医療情報、銀行・携帯番号まわりは「気が付いた時には遅かった」となるケースも少なくありません。
会社が手配してくれる部分と、個人で備えるべき部分は別物。
日本にいる今だからこそ、手間なく・確実に終わらせられる準備があります。
出発直前になって慌てないためにも、本記事の10項目をチェックリストとして使い、「日本でやるべきことはすべて終わらせた」と言える状態でタイ赴任を迎えてくださいね。
なお、本記事で話した10の準備のうち、保険に関しては他の記事でも詳しくご紹介しています。民間医療保険と社会保険の両方の記事があるので、興味がある方はぜひご覧ください。
▶タイの医療保険制度とは?社会保険・民間保険の違いと選び方を徹底解説
▶タイの社会保険制度とは?概要・保険料・加入条件など徹底解説
タイワークラボ編集部

在タイ日系人材会社で働く日本人が、「タイで働く」「タイで暮らす」日本人のためのリアルな情報を、現地からお届けしています。
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