タイ駐在員必見!仕事の現場で通用しないNG習慣5選

タイに駐在して間もないマネージャーや、現地拠点のマネジメントをする日本人が必ず直面する壁。
それが日本式マネジメントの拒絶です。
日本で正解とされている教育方法や仕事の進め方が、タイの現場ではスタッフの自尊心を傷つけ、組織の崩壊を招く「猛毒」に変わってしまうことがあります。彼らには彼らの築き上げてきた文化とプライドがあるためです。
「郷に入れば郷に従え」とは言いますが、具体的にどの習慣がNGで、どうアップデートすべきなのでしょうか。
今回は「タイの現場でやってはいけない5つのNG習慣」について深掘りします。
真面目な日本人駐在員ほど陥りやすいポイントが詰まっているので要チェックですよ!
この記事の目次
タイ駐在員は要注意!現場で通用しない5つのNG習慣
早速、タイの現場マネジメントで通用しない5つのNG習慣をご紹介します。
冒頭では日本の現場では通用するような書き方をしました。しかし、最近の日本の新人教育でも当てはまる部分が結構あるかも。。。
NG習慣その1|人前で叱る・注意する
日本人の感覚ではミスをその場で正すのは上司の責任。そして、時には周囲への見せしめも含めて厳しく指導することがあります。
しかし、タイでこれをやるのはマネジメント上の自殺行為です。
タイ文化において面子(メンツ)を潰されることは、魂を傷つけられるほどの屈辱。
周りに他の人がいる中で叱責されたスタッフは、反省するどころか、あなたを「自分を辱めた敵」と見なす可能性もあります。
叱り方や叱る内容にもよりますが、最悪の場合、翌日から無断欠勤してそのまま退職、というケースも珍しくありません。
注意が必要な時は必ず別室に呼び、まずは相手の言い分を聞くのがベター。
1対1のクローズドな空間を作ることが、信頼関係を維持するための絶対条件です。
NG習慣その2|行間を読ませる(阿吽の呼吸)指示
「空気を読む」という文化は、高い文脈を共有する日本特有のものです。
タイの現場で「あとの細かい部分は適当にいい感じにやっといて」という指示は、「何も指示されていない」のと同義です。
スタッフは自分の判断で進めて失敗し、怒られるのを極端に嫌います。
その結果、勝手な解釈で進めるか、あるいはフリーズして何もしないかの二択になるでしょう。
指示を出す際は何を、いつまでに、どのクオリティでを100%言語化してください。
最後には必ず「私が何を求めているか、あなたの言葉で説明してみて」と復唱させることで、認識のズレを未然に防ぐことができます。
NG習慣その3|仕事の後の『飲みニケーション』強制
タイの職場に日本の飲みニケーション文化をそのまま持ち込むのは危険。
タイ人にとって仕事はあくまで「生活を豊かにするための手段」であり、家族や友人とのプライベートな時間は聖域です。
年に数回程度ならまだしも、頻繁に定時後の飲み会に誘い続けることは、彼らにとってストレスとなりえます。
どうしても親睦を深めたいのであれば、夜ではなくランチを豪華にするのが正解。
また、タイ人は家族を非常に大切にするため、社員の家族まで招待する社内パーティーを開催する方が、上司への忠誠心や帰属意識は遥かに高まるでしょう。
NG習慣その4|責任の所在を曖昧にする
「チーム一丸となって」「みんなでカバーし合おう」という日本の美徳は、タイの現場では通用しません。
役割が曖昧だと、仕事を頼んだ際に「それは私のジョブディスクリプション(職務記述書)に書いてありません」と突き放される原因になります。
これはスタッフにとって、職場への不信感を募らせる大きな要因となる場合も。
タイ人スタッフは、自分の責任範囲が明確であれば、驚くほど高いパフォーマンスを発揮します。
重要なのは、誰がどこまでを決める権限を持っているのかを可視化すること。
個人のミッションを明確に定義することで、初めて組織としての規律が生まれます。
NG習慣その5|プロセス(頑張り)を評価しすぎる
日本ではいまだに「残業している=仕事を頑張っている」という感覚が残っています。
そして「結果は出なかったけれど、残業して頑張っていたから評価しよう」という温情主義がどこの会社でも少なからずあるでしょう。
しかしこれをタイの職場でやってしまうと、不公平感を生む種になります。
タイのワーカー層や優秀な若手ほど、評価の「客観性」を重視します。
プロセスを評価の軸に据えると、スタッフは「頑張っているフリ」に走り、生産性の低い無駄な残業の温床になりかねません。
逆に、成果を出している人間が正当に評価されないと、優秀な人材から順に外資系企業へと流出してしまいます。
感情的な評価を排除し、何を達成したら、給料がいくら上がるのかを数値で示す。
このドライなまでの透明性が、実は現場のモチベーションを最も高く保つ秘訣です。
タイでのマネジメント成功の秘訣|制度と感情の両面からケアする
タイ人スタッフの心を掴むには、前述のNG習慣を避けるといった感情面の配慮に加え、法律に基づいた「正しい制度運用」が不可欠です。
例えば、タイでは病気休暇(シックリーブ)や用事休暇(ビジネスリーブ)が法律で認められています。
これを日本的な感覚で「甘え」だと否定してしまうと、信頼を失うだけでなく法的なトラブルに発展するリスクも。
「感情」で心を掴み、「制度」で安心感を与える。
この両輪が揃って初めて、スタッフは長く定着してくれます。
まずは自社の休暇規定がタイの労働法に即しているか、改めて確認しておくことをおすすめします。
【参考】タイの有給休暇・休日制度の基本と実務対応|法律と会社運用の実態
まとめ
タイの現場で成果を出す鍵は、日本式の正論を振りかざすことではありません。現地の文化や価値観を尊重した上で最適解を見つける柔軟性にあるのです。
今回紹介した5つのNG習慣は、どれも日本人の真面目さゆえに陥りやすい罠ばかり。
大切なのは、彼らを動かそうとするのではなく、共に働くパートナーとして信頼を積み重ねることです。
文化の違いを壁と捉えるか、あるいは新しい可能性と捉えるかで、チームの未来は大きく変わります。
まずは明日、現場のスタッフに笑顔で挨拶することから始めてみてはいかがでしょうか。
タイの職場文化に関しては様々な記事でまとめています。
新たにタイに赴任した駐在員の方は特にマネジメント上で役立つかと思うので、ぜひ以下の記事も併せてご覧ください。
★タイの働き方とは?日本とは違うタイの職場文化あるある10選 - THAI WORK LAB.
★日本人上司とタイ人スタッフの関係って?現場でよくある5つのギャップと対処法 - THAI WORK LAB.
タイワークラボ編集部

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