タイ就職・転職の基礎|書類選考や採用面接前に押さえておきたい5つのポイント

タイでの就職・転職は、東南アジアのビジネスハブとしての魅力に加え、良好な居住環境から今なお高い人気を誇っています。
しかし、2026年現在のタイ労働市場は以前よりも「即戦力」と「適応力」がシビアに評価されるようになっているという現実が。
たとえあなたがどれだけ魅力的な人材でも、履歴書を始めとする書類の書き方や面接時の発言を誤ってしまうことで、書類選考すら通らずに就職活動に苦戦してしまう可能性があります。
本記事では、履歴書・職務経歴書などの作成や、面接前に押さえておくべき5つのポイントを解説していきます。
この記事の目次
タイ就職市場の理解度が面接を制す?
前置きとして、タイ就職・転職における大切なことをひとつお話ししましょう。
タイの日系企業で働く採用担当者が欲しい人材というのは「長く働ける人」です。
これは、多くの企業が現地採用の日本人を採用する背景に「駐在員の削減や現地化」があるため。
そのため、「長く働ける可能性」を考慮し、タイでの生活を知らない人よりもタイでの生活を知っている人の方が採用されやすい傾向があります。
採用後に数か月で「生活が合わない」という理由で退職されては困るため、企業側はどうしてもこの部分をシビアに見ているのです。
「タイでの生活を知っている」というのは、タイでの就業経験の有無に留まりません。
例えば、短期滞在を経験したことがある方や、留学経験がある方、過去に仕事で何度もタイ出張を繰り返した経験がある方など、タイで暮らす/働くというのはどういうものなのかを知っている人などが当てはまります。
では、上記に当てはまらない「タイでの生活を知らない人」はどのようにアピールすべきなのでしょうか。その辺りも含めて、以下の項目で解説して行ければと思います。
タイ就職・転職|書類選考や採用面接前に押さえておきたい5つのポイント
タイ就職や転職において、書類選考や採用面接前に押さえておきたいのは以下の5つのポイントです。
選考時に押さえておきたいポイント
- 書類選考|履歴書・職務経歴書の最適化
- 書類選考|英文レジュメの準備
- 採用面接|なぜタイなのか?に対する回答
- 採用面接|前職の退職理由との「一貫性」
- 採用面接|異文化適応力と即戦力としてのアピール
それぞれの項目について詳しくお話ししていきましょう。
書類選考|履歴書・職務経歴書の最適化
書類選考を受けたい求人を見つけたら、まずは履歴書と職務経歴書を準備しますよね。
これは日本での就職・転職活動でも同様の流れとなるでしょう。
履歴書は誤字脱字が無いことや経歴が時系列で正しく書かれていることを注意すれば問題ありません。このステップで気を付けたいのは特に職務経歴書の方です。
職務経歴書で押さえておくべきポイントは以下の3点。
- 実績を数値化し、具体的に記入する
- 長くなる場合は箇条書きにし、わかりやすく端的にまとめる工夫をする
- タイでの勤務経験・出張経験などがある場合は必ず記載する
営業職を例に挙げてみましょう。
「予算達成の為にチーム引っ張り、毎年予算を大幅に上回る結果を出した」と、「予算達成の為に○○業務の仕組み化を実施した結果、3年連続で予算対比150%の売り上げを達成」だと、どちらの方が実績や能力値がわかりやすいでしょうか。
答えは一目瞭然ですよね。
選考時は多くの書類が企業の採用担当者の手元に届きます。そのため、読み込まないと理解できないような書類や、書かれている内容に追加質問しなければならないような書類は選考落ちしやすいです。
端的に書いても自身の実績や能力がしっかりアピールできる書き方を意識しながら職務経歴書を作ってみてください。
書類選考|英文レジュメの準備
タイ就職・転職では、日本語の履歴書・職務経歴書に加えて、英文レジュメの提出を求められるケースが多くあります。
外資系企業はもちろん、日系企業であっても「社内公用語が英語」「最終面接官がタイ人または外国人」ということは珍しくありません。そのため、英文レジュメは「できれば用意するもの」ではなく「最初から準備しておくべきもの」と考えておくと良いでしょう。
ここでよくある勘違いが、「日本語の職務経歴書をそのまま英訳すれば良い」という考え方です。しかし実際には、日本式の職務経歴書と英文レジュメでは評価されるポイントや書き方が異なります。
英文レジュメでは、
- 業務内容よりも成果・実績が重視される
- 文章ではなく箇条書きが基本
- 主語は書かず、動詞から始める
といった特徴があります。
例えば、
「国内営業として既存顧客のフォローを担当」
と書くよりも、
“Managed key accounts and increased annual sales by 30% through upselling and cross-selling.”
のように、「何をして」「どんな成果を出したのか」を明確に表現することが重要です。
英文レジュメは英語力そのものを評価するためだけの書類ではありません。論理的に自分の経験を整理し、成果を端的に伝える力があるかどうかを見られていると理解しておきましょう。
採用面接|なぜタイなのか?に対する回答
なぜタイで働きたいのですか?
タイ就職・転職の面接で、ほぼ確実に聞かれる質問がこれです。
この質問に対して、「海外で働いてみたかった」「旅行してみて魅力を感じた」といった抽象的な回答だけでは、評価はあまり高くなく、むしろ早期に退職してしまうリスクすら感じさせてしまいます。
この質問で企業側が知りたいのは、タイで働きたい理由だけではありません。
「長期的なビジョンを持ってタイでの就職を考えているか」、「日本とは異なる環境に適応する能力はあるか」などの点も併せて確認されていると思った方が良いでしょう。
理想的な回答のポイントは、自身の経験や将来像とタイを結びつけて説明することです。
過去にタイに関わる仕事をしていた方であれば、その経験をアピールした上で、面接先企業にどのように還元できるかを話せるのが最も良いでしょう。
もちろん「タイが好き」という感情面の理由があっても問題はありません。しかし、それだけでなく必ず仕事・キャリアの話につなげることを意識しましょう。
採用面接|前職の退職理由との「一貫性」
次に重要なのが、前職(または現職)の退職理由と、タイ就職を目指す理由との一貫性です。
例えば、
- 「裁量のある仕事がしたい」と言いながら、なぜ転職先でそれが実現できるのか
- 「海外でキャリアを積みたい」と言いながら、なぜ前職ではそれが難しかったのか
これらの説明に矛盾があると、面接官は違和感を覚えます。
特に避けたいのは、人間関係や会社への不満、待遇面に関する理由などをそのまま伝えること。
これらは正直にそのまま伝えてしまうと、「環境が変わっても同じ理由で辞めるのでは?」と思われかねません。
間違えないでほしいのは嘘をつく必要はないということ。
大切なのは、退職理由をネガティブに語らないこと、そして「だからこそ、タイでこの仕事に挑戦したい」というストーリーを一貫して説明できることです。
採用面接|異文化適応力と即戦力としてのアピール
タイで働く上で、スキルや経験と同じくらい重視されるのが「異文化適応力」と「即戦力性」です。
タイの職場で管理職に従事する日本人は業務範囲が広く、新人を手厚く育成する時間の余裕がありません。
そのため、タイ就職では「育成前提」よりも即戦力性を求められるケースが多いのです。
また、タイの職場文化は日本と異なる部分が多いため、タイ人の先輩や同僚などともうまくコミュニケーションを取りながら能動的に仕事を進めていく必要があります。
海外での仕事経験や多国籍メンバーとの協業経験などがある方は、多様な価値観を持つメンバーの中でどうやってチームをうまくまとめていけたのかなどを具体的に話せることが高評価に繋がります。
また、「自分は何ができるのか」「入社後すぐにどう貢献できるのか」を、できるだけ具体的に言語化しておくことも、採用面接時に大きなプラスになるでしょう。
履歴書提出前に確認を!よくあるミスチェックリスト
最後に、書類提出前に必ず確認しておきたいポイントをまとめます。
- 誤字脱字、表記ゆれはないか
- 日付や職歴の時系列は正しいか
- 数値や実績が曖昧な表現になっていないか
- 求人内容と無関係な情報を書きすぎていないか
- 英文レジュメと日本語書類の内容に矛盾がないか
これらは基本的なことですが、意外と見落とされがちなポイントでもあります。
提出前に必ずチェックをおこないましょう。
まとめ
タイ就職・転職では、以下の点を総合的に見られます。
- 書類の完成度
- 志望動機の一貫性
- 異文化環境で働く覚悟と現実的な理解
特別な経歴がなくても、伝え方を工夫するだけで評価が大きく変わるのが海外就職の特徴。
一つひとつの選考プロセスを「なんとなく」進めるのではなく、「なぜこの準備が必要なのか」を意識しながら進めていきましょう。
しっかり準備をすれば、タイ就職・転職は決して難しいものではありません。
履歴書や職務経歴書の準備だけでも大きな一歩です!まずは書類の準備から始めてみてはいかがでしょうか。
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タイワークラボ編集部

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