日本とは違いすぎた!タイ就職での驚きとそこからの学び

初めてのタイ就職で、私はさまざまな「想定外」を体感しました。
言葉の壁以上に大きかったのは「働くことに対する価値観」の違いです。
この記事では、私が体験した5つのカルチャーショックと、そこから得た気づき・学びについてご紹介します。
この記事の目次
これがリアル!タイ就職で受けたカルチャーショック

初めてのタイ就職は随分前ですが、その時に衝撃を受けたのは「タイの職場は日本よりも明るく楽しい雰囲気」ということ。
もちろんタイでも会社によってカルチャーは違うでしょうし、日本の会社でも和気あいあいと仕事をするところはありますが、「一般的な」日本の会社のカルチャーとは異なる点が多々ありました。
この章では私が今でもたまに感じるカルチャーショックも含め5つご紹介します。
時間感覚が違う
「タイ人は始業時間を守らず、日本人は終業時間を守らない」
これはタイ就職に関わる人ならきっと一度は見聞きしたことがあるフレーズではないかと思います。
タイ人はとにかく遅刻が多い。
遅刻はしないにしても始業時間ギリギリに勤怠の打刻を打ち、その後コンビニやカフェへ朝ごはんを買いに出かけてしまう人が結構います。
時間に厳しい日本の会社で働いていた身からすると、始業時間に働ける状態になっていないのは全て遅刻扱いでは?と思ってしまうのですが、特に上司や人事から咎められる訳でもありません。
また、時間にルーズな一面を持っているにも関わらず、定時ピッタリに席を立ち、颯爽と帰っていきます。
「絶対定時前から片付けして荷物まとめてたよね?」と個人的には思いますが、定時まではちゃんと席に座っているのでOKなのでしょう。
その格好で仕事するの?
日本のオフィスで働く人たちは基本的にオフィスカジュアルというドレスコードが暗黙のルールであるかと思います。
そしてお客さんと会う時にはジャケットを着て、内勤業務の日よりもフォーマルな服装を心がけますよね。
しかしタイのオフィスではその感覚はあまり強くありません。
もちろん営業職や顧客対応をする職種の人はパリッとした感じの洋服を身に纏っている場合が多いですが、それ以外の人は結構カジュアルが強いなと思うことがよくあります。
ミニスカートやスニーカーで出勤する人も結構いて、タイ就職して間もない時期の私にとってはとても新鮮な光景でした。
色や柄のバリエーションも豊かで、白黒やネイビーなどの落ち着いたトーンが主流の日本の会社とは異なります。
そんなタイ人達のファッションは見ていて楽しい気持ちになるので個人的には大好きです。
仕事中の雰囲気が明るく賑やか
タイのオフィスはとにかく私語が多い。
タイ就職したばかりの頃は賑やかで和気あいあいとしているけど仕事の話でもしているのかな?くらいに思っていました。
しかしタイ語が少し聞き取れるようになってから、彼ら・彼女らは全く仕事の話をしていないということに気が付きました。
主なトピックスは社内のゴシップや最近あった面白い話、休日の出来事など。だいたい11時くらいから昼は何食べる?が始まり、誰かがまとめてデリバリーの手配をしている時もあります。
会社によっては音楽を聴きながら仕事をしているところもあるようです。日本でもラジオがずっと流れている会社があったりしますし、雑音の中の方が集中力が高まるようなのでこれはこれでアリかなあ。
しかし、考え事をしている時や顧客と電話している時に騒々しかったら「うるさーーーーい!」と怒り狂いそうになります。笑
常に何か食べている
ほんとにずっと何か食べてません?皆さんのオフィスはどうですか?
日本でもチョコや飴などを仕事中に食べる事はあるとは思います。しかしタイでは普通にパンやお菓子などを食べながら仕事をしてる人が結構多いです。(だいたい業務中に買いに行っています。)
ビックリするのが昼休み後に、休憩中に調達したであろうオヤツやフルーツが置かれている事です。今ご飯食べてきたんじゃないの!?…と毎回ツッコんでしまいます。
私もたまにおすそ分けを頂きますし、あまり業務に支障が出ているとも思えないので特に気にはしていません。しかしタイ就職して間もない方は驚くかもしれませんね。
楽しいことには全力投球
タイの人はとにかく「楽しい」を全力で実行するイメージです。
楽しそうなイベントごとには全て乗っかり、これはオフィスでも顕著に表れます。
具体的に言うと、社内イベント(社員旅行やニューイヤーパーティー)前は、仕事そっちのけで準備に励む事。
そして当日は全力で盛り上がって楽しい空気を造り上げます。
季節の行事も全力です。
ソンクラン休暇前はアロハシャツで出勤、旧正月は赤いコスチュームを身に纏い、クリスマスにはサンタやトナカイのカチューシャを着けて仕事をします。
そんな浮かれた見た目でまじめに仕事をする姿がまた、とてもシュールで面白い。
毎年オフィスのタイ人スタッフのファッションを見て、季節の移ろいを感じています。
タイ就職での驚きから見えてきた「働くこと」への考え方の違い

タイ就職におけるカルチャーショックは人によって様々。
人によっては受け入れがたいと感じる場合もあるかもしれません。
しかし、郷に入っては郷に従え。全てを日本式にして従わせることはタイ人スタッフのパフォーマンスやモチベーションの低下につながる可能性があります。
そもそも「働くこと」に対する考え方が日本人とタイ人では異なるからです。
では、全てタイのカルチャーに合わせて日本人が我慢すればいいのでしょうか。それも違いますよね。
大切なのは「日系企業として最低限守るべきラインを持ちつつ、タイならではの職場文化も受け入れる姿勢を持つ」ということではないでしょうか。
本当に「遅刻=悪」なのか
いや、私は悪だと思いますよ。笑
しかし、遅刻グセのある人ほど要領が良く、業務でしっかり結果を残していたりする場合もありませんか?
それであれば多少のことには目を瞑りつつ、大切なポイントだけは遅刻しないように念押しで伝えたり、敢えて集合時間の30分前を伝えたりするなど、こちら側が工夫をしてみるのもひとつの方法かもしれません。
遅刻する上に業務上のパフォーマンスも悪い人が職場に多いのであれば、遅刻が人事考課でマイナス要素となるような仕組みを作ってしまうのもひとつです。
「働き方」に対する共通ルールをセットしてみる
例えば、自由な服装や業務中の飲食、私語などは「ダメ」と言われていないからするんですよね。
毎日スーツ!業務中の私語厳禁!休憩時間以外は何も食べるな!なんてルールは作れませんが、ある程度のレギュレーションを会社で設けるのはひとつの抑止力になると思います。
あとは、何故だめなのかを明確に伝えることも大切です。
なぜ私語がだめなのか?
なぜおしゃれで奇抜なファッションが仕事にふさわしくないのか?
業務中に食事を取る事でどんな悪影響がでるのか?
頭ごなしに全てを否定・規制すると反発が生まれます。しかしダメな理由を伝えることで、多少の抑止力にはなるでしょう。
「楽しむこと」には同調するのが正解!
これに関しては、同調する事にデメリットがあまりないと思います。
もちろん業務に支障が出るようであれば、OKなラインを設定するべきです。
例えば、ソンクラン期間中にアロハシャツで出勤するのはタイのカルチャーを尊重するという意味でOKじゃないですか?
でも会社で水かけ祭りを始めちゃうのはNGですよね(そんな会社ないでしょうけど)。
社内イベントの場合も然り。
日程や大まかな予算などを伝えれば、総務や有志たちが集まりあっという間に楽しい計画を造り上げてくれます。
社内イベントの主役はタイ人スタッフたちなので、日本人が介入せずに自由に決めてもらうことで、従業員の満足度が高いイベントになるでしょう。
日頃は真面目に働きつつ、楽しいことにも従業員みんなが全力で取り組む会社って素敵じゃないですか?
まとめ
今回はコラム形式でタイ就職に関するカルチャーショックをご紹介しました。
「働くこと」に関する考え方や価値観が日本とは異なるため、タイ就職してすぐは驚きの連続かもしれません。
本文でも話しましたが、日系企業だからと言って全てを日本式に合わせようとするのはあまり良い方法ではありません。
大切なのは相互理解。お互いのカルチャーを理解しつつ、折り合いの付く着地点を見出すことが大切なポイントではないかと思います。
とは言え、私はいまだに小さなことでも驚いたりイライラしたりしてしまいます。。。
まだまだ精進が足りませんね!
タイワークラボ編集部

在タイ日系人材会社で働く日本人が、「タイで働く」「タイで暮らす」日本人のためのリアルな情報を、現地からお届けしています。
人材業界での実務経験や在住者の視点を活かし、キャリア・制度・くらしなど幅広いカテゴリをカバー。今タイで働いている人だけでなく、将来的にタイでの就職・移住などを考えている方にとってもヒントになるような記事を目指して、日々コンテンツを発信中です。


